みなさんはどんな種類の暖房器具を使っていますか?
石油ファンヒーターやガスファンヒーター、セラミックヒーターなど、さまざまなタイプの暖房器具が発売されていますが、本記事では「オイルヒーター」に注目してみました。
速暖性が低く、暖房能力こそほかのタイプの暖房器具より低いものの、乾燥しにくさや高い安全性、静穏設計といった、他にはない特徴を備え、暖房器具の中でもオイルヒーターは人気の商品になっています。
その中で売れ筋のメーカーといえば「デロンギ」です。世界70カ国以上で使われているイタリアの家電ブランド、デロンギ(De’Longhi)のオイルヒーターは日本でも人気があるのでご存じの方も多いのではないでしょうか。
今回はデロンギから発売されている「オイルヒーター」と「マルチダイナミックヒーター」についてご紹介していきたいと思います。
デロンギ オイルヒーターとマルチダイナミックヒーターの違いは?デロンギ ヒーターの電気代は高いの?気になる疑問を解決します。
デロンギの最新ヒーターの電気代を他の暖房器具と比較、メリットやデメリットをまとめました。デロンギ マルチダイナミックヒーターを賢く使うコツも紹介します。
目次
オイルヒーターの特徴
オイルヒーターは放熱板(フィン)がついた密閉容器内に難燃性のオイルが入っています。電気の力でオイルを加熱、放熱板を通じて室内の空気を暖めます。
ファンヒーターやエアコンのように暖かい空気を室内に放出するタイプの暖房器具ではなく、暖房器具と室内の空気の温度差によって生じる空気の自然な対流によって部屋を暖めるタイプの暖房器具です。
オイルヒーターの仕組み
デロンギホームページより
①電気で中のオイルを暖めます
デロンギホームページより
②オイルがまわってパネルを暖めます
デロンギホームページより
③パネルからの放熱でお部屋全体を暖めます
メリット
①部屋全体が暖かい
デロンギのヒーターは部屋全体をムラなく暖めます。放射板からの放熱で、床、壁、天井、人体にも熱を伝え、さらに暖められた壁や天井からも二次的な輻射熱(ふくしゃねつ)が出るので部屋中が暖かさに包まれます。
輻射熱とは? 寒い日でも日なたにいると、ぽかぽかと暖かく感じます。太陽の熱が、直に私たちの肌に届いているからです。これが輻射熱の特徴です。この輻射熱を利用しているのがデロンギヒーターです。
②肌も喉も乾燥しにくい
温風を出さず、水分が奪われることがほとんどないため、肌の水分量もしっかりキープして、乾燥による喉の痛みもありません。加湿器に頼ることもありません。
③空気がきれい
輻射熱と自然対流で部屋をやさしく暖めます。室内のホコリやハウスダスト、ペットの体毛などを巻き上げることがありません。発火・燃焼もないため、空気を汚しません。
④やけど・火事が起きにくい安全設計
電気でお部屋全体を暖めるので、うっかり本体を転倒させたり、上に燃えやすい物を落としたりしても、家事の心配がありません。小さいお子様から目を離してもやけどしにくい。
⑤燃料補充の手間がなし
燃料補充の手間がなくお手入れも簡単です。
デメリット
①電気代が高くなる
お部屋全体が暖まるめで長い時間を必要とする為、消費電力が大きく電気代が高い。
②速暖性がない
電源を入れてから20~30分しないと本体が暖かくならない。広い部屋では暖かくなるのに1時間以上かかることもあります。
ダイナミックヒーターの特徴
内部に入った金属モジュールを温めるしくみ。秒単位で室温を感知し、32通りの高精度な温度コントロールを行うことで部屋全体を一定温度に保ちます。
メリット
①快適温度一定キープ
秒単位で室温を感知して設定温度に対して±0.1℃の範囲で室温を一定にキープするので、電気代の無駄がありません。
②速暖!従来の2倍の速さ
外気温5℃の寒い冬でも、室温が20℃に達するまでに必要な時間はわずか25分。従来型のヒーターの約2倍のスピードで、心地良い暖かさです。
③運転音が静か
温風を出さないので寒い日にフル稼働させても運転音も静かです。寝室にはもちろんですが、勉強に集中したい時、音楽を楽しみたい時にもおすすめです。
デメリット
①本体が高額
オイルヒーターと比べると本体が高額である点がデメリットでしょうか。
オイルヒーターは1〜3万円台程度で購入できますが、マルチダイナミックヒーターは4〜7万円台。速暖や静音、一定温度でキープするという特長が必須でなければオイルヒーターを選ぶほうがよい場合もあるかもしれません。
しかし、最新のエアコン購入を考えると、暖房器具としてみると特別に高額ともいえません。重視するポイントや必要な機能で選ぶと良いかもしれません。
②気密性の低い住宅では暖房効率が低い
オイルヒーターにも当てはまることなのですが、築年数が古い木造住宅などでは、入り込む隙間風などで十分な暖房効果を感じられないことがあります。
デロンギ ヒーターは隙間がなく気密性の高いRC住宅や新しめな木造住宅で人の出入りの少ない部屋などでの利用に向いています。
購入前に自宅や設置する部屋を確認してみましょう。
デロンギ マルチダイナミックヒーターの電気代はどのくらい?
デロンギ マルチダイナミックヒーターは大きく分けると、900Wモデル、1200Wモデル、1500Wモデル、iPhoneをリモコンにして屋外から操作ができるiPhone対応モデルの4種類があります。それぞれの1時間当たりの最大の電気代は以下のとおりです。
MDHAA15WIFI-BK
iPhone対応1500Wモデル
<仕様>
適用畳数 | 10〜13畳用 |
サイズ(mm) | 長さ495 × 幅275 × 高さ665 |
本体重量(kg) | 12.5 |
電力切替(W) | 300/600/900/1200/1500 |
電気代(1時間) | 8.1円〜40.5円 |
コードの長さ(m) | 2.5 |
デロンギマルチダイナミックWi-Fiモデル デロンギの最上位ヒーター <アプリで直感操作>
DE’LONGHI COMFORTアプリがリモコン代わりに。電源ON/OFFや温度の調節など基本的な操作はすべてアプリから簡単に行うことができます。iOS/Android™ 両方に対応※ ※ 屋内および屋外からのスマートフォンによる操作にはWi-Fiルーターとインターネット環境が必要です。 |
MDHU15-BK/PB
快適温度一定キープ 1500Wモデル
<仕様>
適用畳数 | 10〜13畳用 |
サイズ(mm) | 長さ510× 幅275 × 高さ665 |
本体重量(kg) | 12.5 |
電力切替(W) | 300/600/900/1200/1500 |
電気代(1時間) | 8.1円〜40.5円 |
コードの長さ(m) | 2.5 |
誰でも操作しやすいクリックノブ
すきまに指が入らない構造・メッシュ構造で安心。「チャイルドロック機能」でお子様のいたずらによる誤作動を防ぎます。
キャスター付きなので、移動が簡単「折りたたみ式」だから、組みたてが不要。
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MDHU12-BK/PB
快適温度一定キープ 1200Wモデル
<仕様>
適用畳数 | 8〜10畳用 |
サイズ(mm) | 長さ440× 幅275 × 高さ665 |
本体重量(kg) | 10.0 |
電力切替(W) | 300/600/900/1200 |
電気代(1時間) | 8.1円〜32.4円 |
コードの長さ(m) | 2.5 |
誰でも操作しやすいクリックノブ
すきまに指が入らない構造・メッシュ構造で安心。「チャイルドロック機能」でお子様のいたずらによる誤作動を防ぎます。
キャスター付きなので、移動が簡単「折りたたみ式」だから、組みたてが不要。
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MDHU09-BK/PB
快適温度一定キープ 900Wモデル
<仕様>
適用畳数 | 6〜8畳用 |
サイズ(mm) | 長さ370× 幅275 × 高さ665 |
本体重量(kg) | 8.5 |
電力切替(W) | 300/600/900 |
電気代(1時間) | 8.1円〜24.3円 |
コードの長さ(m) | 2.5 |
誰でも操作しやすいクリックノブ
すきまに指が入らない構造・メッシュ構造で安心。「チャイルドロック機能」でお子様のいたずらによる誤作動を防ぎます。
キャスター付きなので、移動が簡単「折りたたみ式」だから、組みたてが不要。
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同じ出力で1時間の運転を続けた場合の電気代を計算していますが、実際は室温を感知して設定した室温をキープするために自動で内部のモジュールのオン・オフするため常にフルパワーで稼働し続けるわけではありません。そのため、実際はもう少し安い金額になると思います。
デロンギの試算によるさらに詳しい部屋ごと、広さごとの1時間の電気代は以下のとおりです。
部屋 | 広さ | 目標室温 | 通常運転時(1時間) | ECO運転時(1時間) |
---|---|---|---|---|
リビング 13-22時(9時間) 3人在室 |
10畳 | 19℃ (ECO運転時18℃) |
約15.4円 | 約12.6円 |
8畳 | 約11.9円 | 約9.6円 | ||
6畳 | 約8.3円 | 約6.5円 | ||
子供部屋 13-22時(9時間) 2人在室 |
10畳 | 17℃ (ECO運転時16.5℃) |
約12.7円 | 約11.2円 |
8畳 | 約10.1円 | 約8.3円 | ||
6畳 | 約7.2円 | 約5.8円 | ||
寝室 22-7時(9時間) 2人在室 |
10畳 | 15℃ (ECO運転時14.5℃) |
約10.7円 | 約9.4円 |
8畳 | 約8.5円 | 約7.0円 | ||
6畳 | 約7.2円 | 約6.0円 |
(出典:デロンギ公式ホームページより)
デロンギ マルチダイナミックヒーターをリビングで1日9時間、1カ月(30日間)室温19℃で使用したとすると電気代は4,158円(ECO運転時3,402円)です。電気代を見てみると想像より安いと感じた人もいるのではないでしょうか。
マルチダイナミックヒーターと他の暖房器具との電気代の比較
デロンギ マルチダイナミックヒーターの電気代がわかったところで、気になるのは他の暖房器具の電気代ですよね。まずは、同様に部屋全体を暖めるタイプのエアコン、ファンヒーターなどの電気代と比較してみました。
Dyson Pure Hot + Cool HP04WSN 木造6畳・コンクリート10畳 サイズ(mm) 幅248× 奥行248 × 高さ764 本体重量(kg) 8.5 電力(W) 1400 <電気代(1時間)> 8.1円〜24.3円 コードの長さ(m)1.8 |
インテリアにマッチするおしゃれなデザインでデロンギ製品とともに人気があるダイソンの「ダイソン ピュア ホット アンド クール リンク」。 もちろん常にフルパワーで稼働するわけではないため少し比較が難しいのですが、1時間の電気代は最大で37.8円で、9時間運転、1カ月(30日)で見ると電気代は最大10206円です。 |
パナソニック 加湿セラミックファンヒーター DS-FKX1205 木造5畳・コンクリート8畳 サイズ(mm) 幅410× 奥行187 × 高さ410 本体重量(kg) 4.8㎏ 消費電力(W) 温風「強」:1250W 温風「弱」:670W <電気代(1時間)> 18円〜33.7円 コードの長さ(m)1.8
|
加湿機能付きセラミックファンヒーターです。 ナノイーで菌・カビ菌・アレル物質・ウイルスを抑制、ニオイを脱臭します。 1時間の電気代は強で33.7円・弱18円です。 9時間運転、1カ月(30日)で見ると電気代は最大9099円です。 |
三菱霧ヶ峰ルームエアコン MSZ-ZW2220 <冷房> 木造6畳・コンクリート9畳 <暖房> 木造6畳・コンクリート7畳 消費電力(W) 暖房消費電力・465W(105~1480)
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三菱ルームエアコン霧ヶ峰のフラグシップモデルになります。超省エネタイプのエアコンです。
エアコンも常にフルパワーで稼働するわけではないため少し比較が難しいのですが、1カ月間で最低765円〜最大1万789円。定格電気代で見ると3389円です.
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高い印象もあるデロンギ ヒーターの電気代ですが、ダイソン ピュア ホット アンド クール リンクやエアコンなどの暖房器具と比べてみるとあまり変わらないか、実は使い方によっては安くなるということがわかります。
イメージだけではなく、しっかりと実際の電気代を計算して比べてみることが大切ですね。
設置場所について
部屋をムラなく暖めるためには窓際に設置するのがおすすめです。
冷気が入ってこないので、部屋全体を一定温度に暖められます。窓際に置くようにしただけで暖かさが変わったという利用者もいるようです。
これから購入する人はもちろん、既に利用していて思ったよりも暖かくないと感じている人は設置場所を工夫してみてくださいね。
デロンギ公式ホームページより
オイルヒーターのメンテナンスと処分方法
最後はオイルヒーターのメンテナンスと処分方法について解説。オイルヒーターのメンテナンスは、基本的に必要ないと考えてください。
本体の中に入っているオイルは交換不要なので、メンテナンスと言えば本体を布で拭く程度で大丈夫です。めんどうな掃除や燃料の交換がないのは非常に便利です。
オイルヒーターの処分についてですが、基本的に粗大ごみ扱いとなります。
ただし、オイルを抜いてからでないと回収できないといった自治体もあるので、注意が必要。オイルを抜くのは非常に手間がかかるので、購入前に各自治体の対応を調べておくのがよいでしょう。
なお、デロンギやユーレックスといったメーカーは、リサイクルや廃棄処分してくれるアフターサービスを実施しているので、こちらも購入前に調べるのが良いと思います。粗大ごみとして処分する手続きをしないで済むのは楽チンですね。
まとめ
オイルヒーターとマルチダイナミックヒーター共通機能
- お部屋全体が暖かい。
- 乾燥や空気の汚れがないゼロ風暖房で乾燥しにくい。
- 表面温度が約60℃で小さな子供がいても安心・安全。
- 燃料の補充が必要ない。
デロンギのマルチダイナミックヒーターとオイルヒーターの違いは?
- オイルヒーターは部屋が暖まるまでに少し時間がかかる。
- マルチダイナミックヒーターでは従来の約2倍のスピードで部屋全体を暖められる
マルチダイナミックヒーターのメリット・デメリット
- オイルヒーターと似た外観ですが、速暖性や±0.1℃の範囲で室温を一定に維持できる。
- オイルヒーターの2倍の速さで部屋が暖まる速暖性。
- フル稼働させても静か
- 本体がオイルヒーターよりも高額
長々とオイルヒーターについて書いてきましたが、オイルヒーターがほかの暖房器具にはない快適性を備えるのは確かです。
実は私もオイルヒーターを使っています。一度暖かくなると電源を切ってもしばらくは暖かさが残っています。つけたまま寝ると汗をかくこともしばしば(笑)
どうしても速暖性がないので、タイマー機能を上手く使うと便利だと思います。
正しい使い方と節電方法を守れば、電気代もびっくりするほど高いということにはならないと思います。速暖性を重視しないのであれば、一度使ってみるのもアリだと思います。
以上になりますが、商品選びの参考にして頂けたら幸いです。
最後まで読んで頂きありがとうございます。